クリスマスのうさぎさん
2009年 12月 29日
この絵本を開くと、本当に楽しく可愛い絵が広がっています。
中はカラーのページとモノクロのページで交互に描かれています。
カラーのページでは、黄色をベースに鮮やかな色で表現されていて物語の世界の楽しさを広げています。
モノクロのページでは、雪の季節の深さ静かさが感じられます。
もう一つ寝るとクリスマスの日。主人公デービーの森での出来事。
クリスマスが待ちきれず落ち着かないデービーは、動物たちにお土産もって出かけます。
大好きなうさぎたちにはサラダなを。やがて、きつねに出会い動物たちとサンタクロースとの楽しい時を過ごします。
そして、大好きなうさぎの贈りものをもらいます。夢の中なのか本当なのか・・・・
クリスマスの朝、目を覚ますと・・・・。
おくりものを届けるとは、心と心のを届け合うことができること
信じることの素晴らしさ贈ることの喜び、人々がこの時期に感じてほしい大切なことが描かれています。
映画化されたモーリス・センダックの絵本「かいじゅうたちのいるところ」の主人公と同じように、
描かれている動物たちの目がお茶目でなんともいい感じ。
こんなイラストが描かれた洋服や雑貨があると欲しくなってしまいそうです。
色の使い方やページ構成、デザイン的にもとても素晴らしく勉強になります。
翻訳は児童文学者の渡辺茂男さん、ご本人創作の絵本とともに数多くの翻訳を手掛けた絵本が
長く読み継がれています。「しょうぼうじどうしゃじぷた」や石井桃子さんとの「くまくんの絵本シリーズ」、翻訳では「エルマーのぼうけん」「どろんこハリー」「おさるのジョージ」シリーズなどです。
彼の絵本を作る目線と世界には落ち着いた良い時間が流れ
愛するものの側からの暖かさが溢れています。
これは携わった全ての作品に共通して生きています。
「クリスマスのうさぎさん」も、楽しさ夢溢れる言葉の進みでページをめくるのが楽しみになります。
この絵本は、3、4歳ぐらいからがおすすめです。
残念ながら、現在は出版されていませんので図書館で探してみて下さいね。
復刻されることをを願っています。
クリスマスのうさぎさん
ウイルとニコラス 作・絵
渡辺茂男 訳
福音館書店 1985年発行